円史上最高値更新

円が1995年の79円75銭を突破し、一気に76円台前半まで買われ、史上最高値を更新した。
おそらくオプションのトリガーやストップロスなどを巻きこみながら、あっという間に進んだと思う。
急激な円高が進んだ背景には、震災の影響に伴う日本企業の海外資産から円資産への巻き戻しが起こるのではないかという投機筋の円買いの動きがあったというが、そんな後付け講釈のようなことは置いておいて、現在の日本の状況下で、円という通貨に対する信頼感はまだ損なわれていないというのはある意味驚きだ。
急激な円高は日本の輸出企業にとって、大きなダメージであることは間違いないが、円の信頼が保たれているうちはまだマシだ。しかし、怖いのは、日本経済、ひいては日本という国そのものに完全に見切りをつけられ、円が投げ売りされるような事態になった時だ。
客観的に見て、海外通貨との不美人競争下で、円は買われる要素より売られる要素の方が圧倒的に多い。
投機的な動きは速い。どこかのタイミングで円に見切りをつけたら、逆に大きく円売りに走るだろう。そして、円の価値が暴落すれば、ハイパーインフレという最悪の事態も可能性としてはありうる。
そうなってほしくはないが、今回の震災を考えると、起きてほしくないリスクが顕在化することは、十分に覚悟しておいた方がいいのかもしれない。

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